さて、この事件に関連して、毎日新聞の記者某が、ネット上のフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に或る書き込みを発見した。『社会保険庁長官』という項目に、今回の事件の被害者となった方の名前の前に×印が記入され、また「×は暗殺された人物を表す」との但し書きがあったのだ! しかも編集時刻をチェックすると、犯行時刻の6時間前に書き込まれたものではないか!!
悲しいかな、戯れに、或いは本気でネット上で事前に犯罪予告を行う不逞の輩が多い昨今である。「見つけたぞ、これは事件の犯人による犯行予告に違いない。これは大発見だ、特ダネだ!」と、書き込みを発見した記者某は狂喜乱舞したであろうことは想像に難くない。そしてその知らせを受けた同僚や上司も、
「そうか、現れてくれたか。自分が乙女座であったことをこれほど嬉しく思ったことはない」
(byミスター・ブシドー:機動戦士ガンダム00 より)

ROBOT魂
と喜びに打ち震えたことだろう。かくして、翌19日の毎日新聞朝刊には「ネットに犯行示唆?」と大々的に報じられたのだが…。
毎日新聞“Wikipediaに犯行予告”と誤報 時刻表示を勘違いか、実は犯行後
(ITmediaニュース)
実はWikipediaの標準設定では協定世界時(UTC)が利用されている。協定世界時とはセシウム原子時計の示す原子時と世界時との差が0.9秒以内になるように調整した時刻系のことで、万国共通の標準時である。そして日本では、これより9時間進んでいる日本標準時(JTC)が使用されている…ということで、察しの良い方はお分かりであろう。毎日新聞は、実際には犯行時刻の3時間後に書き込まれた記事を事件前に書き込まれたと誤認して記事を書いてしまったのだ。
しかも誤報の修正が間にあわず、朝刊が発行されてしまっただけではなく、朝のTVニュース番組でよくある「朝刊記事紹介コーナー」でも記事の内容が誤ったまま紹介されてしまい、TV局にまで迷惑をかけてしまうという大失態となってしまった!
かくして毎日新聞では「おわび」記事を掲載することとなった。
おわび:「ネットに犯行示唆?」の記事について
(毎日新聞)
…まったく、普段は政治家の些細な言い間違いや、カップラーメンの小売価格を知らなかったというような瑣末な話題をさも重大な事件のように扱う割りに、自らの誤報に関しては随分アッサリとした侘び文だ。「Wikipediaの標準設定では協定世界時(UTC)が利用されている」という仕組みを知らなかった事実を棚に上げ、書き込み主のハンドルネームまで大々的に報道して晒し者にしたというのに。この記事のため、書き込み主のの方は地元警察に出頭までするハメになったのだから、とんだトバッチリである。
しかも毎日新聞が潔くないのは、お詫び記事とは別に書いた記事の中で書き込み主の方を「犯行示唆と受け取れる書き込みをしたとする人物」と表現し、ある種の責任逃れを行っていることだ。
「犯行示唆した書き込みがあった」 大誤報毎日新聞の懲りない「弁解」
(J-CASTニュース)
毎日新聞は、姑息な弁明などする前に、自らに課せられた使命と責任を今一度思い返してみてはいかがだろうか?
◆最後までお読み頂きありがとうございました。

















