2008年10月06日

ドバイに建つ1000メートルの超高層ビル

時は1987年。日本では円高不況の打開策として政策金利(中央銀行が市中の金融機関に対して貸し出しを行う際に適用する基準金利)が引き下げられた。企業が設備投資などに掛ける資金調達コストを減らして景気を刺激するためだったのだが、これが株式や不動産市場に流れたことで株や不動産の価格が上昇した。俗に言うバブル景気の始まりである。

その当時、わが世の春を謳歌していた建設会社は競って超高層ビルの計画をぶち上げていたものだ。途方も無い費用と時間がかかるであろうその計画は、当時は大真面目だったのかもしれないが、バブル景気の崩壊と共に計画も消滅することとなった。旧約聖書に記されている『バベルの塔』の逸話に因み『バブルの塔』などと後々まで揶揄されることになる。

そして「歴史は繰り返される」の言葉どおり、原油価格の高騰――最近は値動きも大分落ち着いてきているが――に沸く中東、その中心国の一つであるアラブ首長国連邦(UAE)の一画を成すドバイ首長国の首都にて…

高さ1000m以上、ドバイに世界一の超高層ビル計画
読売新聞

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読売新聞より

高さ1000メートル以上の超高層ビルを建設する計画が発表されたそうだ。この超高層ビルは四つのタワーで構成され、地上200階以上となるというから、想像するのも難しいぐらいの規模だ。2020年にはこのビルを中心とする新市街を完成させる計画なのだとか。

このような超高層ビルに居住したり、オフィスを構えたりするのは、オイルマネーで巨万の富を得ているアラブの王族のような、選ばれた富裕層のみなのだろうなぁ。その一方で、この超高層ビルを地上から眺めながら

「俺達の子の涙には泥すら混じっている! なのに奴らの子は! なぜだ!同じ人間なのに!」
(by泥水を被り泣く赤子の父親:北斗の拳 より)

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と怒りに身を振るわせる人もいるのかと想像し、複雑な気分になった。ただそれと同時に自分は、このビルの建設計画を見てアラブの王様たちの必死さも感じてしまった。それが複雑な気分を一層増幅させた。

おそらく世界の誰よりも、近未来の石油枯渇を恐れているのはアラブの王様たちだ。彼らは子や孫の世代には石油は枯れ果てることを誰よりも知っているし、また恐れている。そのとき、子や孫たちの生活を保障するために超高層ビルを建て、世界中の金持ちや企業を中東に留め、おカネを自国の領内で使ってもらい、国家と国民と自分たちの家族を潤わせるための『バベルの塔』計画に違いないのだから。

地上の赤子の涙には泥が混じっている。それでは『バベルの塔』の赤子の涙には何が混じるのだろうか。もし計画通りに居住者が集まらなければ、泥の代わりに綿埃が混じるのかもしれない。果たしてどちらが幸せなのか…。


◆最後までお読み頂きありがとうございました。
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高さ1000m以上、ドバイに世界一の超高層ビル計画
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posted by 只今 at 22:57| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(1) | 雑感:海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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