
仙台の繁華街から少し離れ、大通りを南下。仙台中央郵便局の程近く(詳しい場所は上部リンク先を参照)に店を構える『かつせい』さんが今回の目的地である。

店内の様子(写真左)、メニュー(写真右)
外見・内装共にトンカツ屋としてオーソドックスな作り。メニューを見れば価格設定もリーズナブルで、高級感をセールスポイントにしているようでもない。一体何がそこまで評判を呼んでいるのだろうか…と考えながらオーダーを通す。
注文した品が来るのを待つ間、聞くとは無しに店内の会話に耳を傾けていると、これから勘定を済ませようとする若い女性の客が店の女将(らしき人)に「ここの味が忘れられなくて、埼玉から来たんです」と熱く語っていた。
埼玉!? と自分は目を剥いた。もう少しで声をあげてしまうところだった。わざわざ関東から再来するほどのトンカツだというのか。期待が最高潮に達したとき、

ヒレかつ定食(1,050円:税込)
ヒレかつ定食がやってきた。トンカツとキャベツの千切りとポテトサラダと辛子が皿に盛られ、ご飯、味噌汁、漬物がセットになった、至極ありふれたトンカツ定食のたたずまいである。

だが口にして再度目を剥いた。極めて軽やかな歯応えの衣と、十分火が通っているのに柔らかく、旨味が最大限に活性化された豚肉の美味しさに、である。
そして次の瞬間、自分の脳は疑問符で埋め尽くされてしまった。「特に奇をてらった作りをしているとも思えないのに、なぜこれほどの美味しさが出せるのか…」と。そして思い至った。「奇をてらっているのではない。基本に忠実だから美味しいのだ」ということに。
冒頭にも記したが、トンカツとは豚肉に衣をつけて油で揚げるという極めてシンプルな料理だ。それゆえ簡単な料理と思われがちだが、
・食感に影響するので、下ごしらえとして包丁の先で突き刺し、叩いて伸ばして肉の筋を丁寧に断たねばならない。
・衣を付ける際、余分な小麦粉を丁寧に払っておかないと揚げた時に衣が剥がれてしまう。
・揚げる時には揚がり具合を見ながら、油の温度を小まめに調節する必要がある(油の温度が高すぎれば衣はカチカチになっても中まで火が通らないし 逆に低すぎると衣がカラッと仕上がらない)。
というように、簡単に洗い出してもこれだけの注意すべきポイントがある。『かつせい』さんのトンカツは、手を抜かず、手間暇を惜しまず、こうした作業を忠実にこなしている故の美味しさなのではないか。料理の指南書に書かれている「美味しいトンカツの作り方」を究極レベルで再現したトンカツと例えればよいかもしれない。
先にお話した埼玉から来たお嬢さんではないが、自分も仙台にいく機会があるたびに通いそうな予感がするなぁ。
◆最後までお読み頂きありがとうございました。

















